※ユマニチュードⓇ研修定期受講
ユマニチュード(Humanitude)とは、知覚・感情・言語による包括的コミュニケーションに基づいたケア技法です。フランス語で「人間らしさ」を意味する「ユマニチュード」には、「人間らしさを取り戻す」ということも含まれています。
ユマニチュードは、1979年にフランスの体育学教師だったイヴ・ジネスト氏とロゼット・マレスコッティ氏の2人が創出しました。
ユマニチュードの研究・教育を行うジネスト・マレスコッティ研究所は、フランス国内に14支部、ベルギー・スイス・ポルトガル・ドイツ・カナダ・日本などに国際支部があります。日本支部は 2014年に誕生し、介護・医療関係者から介護をするご家族、一般の方々を対象に講演や研修、ケア実践などを行っています。
認知症の人や高齢者に限らず、ケアを必要とするすべての人に向けた、知覚・感覚・言語による包括的コミュニケーションに基づいたケア技法です。「見る」「話す」「触れる」「立つ」という人間の持つ特性に働きかけることによって、ケアを行う人は常に「あなたは大切な存在です」「あなたのことを大切に思っています」というメッセージをケアを必要とする人に発信し続けることが重要です。それによって人は自分が唯一の存在として、自分が尊重されていると感じることができます。ユマニチュードとはケアを必要とする人の人間らしさを尊重し、それを伝えるための哲学と技術なのです。
ユマニチュードの4つの柱
ユマニチュードは、以下の4つの動作を基本としています。
見る
認知症の人の介護において「見る」という行為はとても重要です。
なぜなら、「見ない」という行為は、相手の存在を否定するメッセージにもなり得るからです。
同じ高さから目線を合わせることで平等な関係性であることを、正面から見つめることで相手への誠実さを伝えることができます。
また、できるだけ長く目と目を合わせることで、ポジティブさや愛情が伝わります。
ユマニチュードでは0.5秒以上見つめ合うことが必要だとされています。
話す
話すときは、ゆっくりと穏やかに話すように心がけます。
返事がない場合や、意識的な反応が見られない場合は、介護を行っている自分の手の動きを実況中継する「オートフィードバック」法を使って、言葉を途切れさせないようにすることもひとつの手です。
「左腕を少し上げます」や「温かいタオルで左手の甲を拭いています」といった言葉を重ねることは、介護を受けている側が「自分の存在」を改めて認識する大切な機会となります。
触れる
愛しい人に触れるときのように、優しく包み込むような動作で触りましょう。
急につかんだりすると、本人にそのつもりがなくても認知症の人に対して攻撃的な印象を与えかねません。
また、触れる際は皮膚の接触面積をできるだけ大きくして広い範囲で触れるようにすると、安心感を与えることができます。
なお、肩や腕など体の鈍感な箇所から触れていくことも大事です。
いきなり手や背中など敏感な部分を触ると、「ビクッ」と驚かせてしまう恐れがあるからです。
立つ
立ち上がることができれば、空間は縦方向にも広がることになります。
より多くの空間的な情報を得ることで、自分の存在をさらに強く意識することができます。
また、立つことで体の関節や軟骨に栄養を行き渡らせ、循環器系や呼吸器系の機能が活発化。
骨粗しょう症の改善や筋力アップを図れるほか、褥瘡※の予防にもつながります。
※じゅくそう…外部からの圧力によって骨で圧迫された身体の組織が、ダメージを受け、できものや傷のようになった状態。
※ビューティータッチセラピー受講
健やかでいきいきとした高齢者の暮らしを願って
ビューティタッチセラピーは高齢者の「笑顔」と「元気」、「自立支援」を応援します。
美容を通したADL改善・QOLの向上をテーマに、私達が学び提供できることに常に取り組んでいます。
【ビューティタッチセラピーとは】
スキンケアやメーキャップ等を通して肌に触れることで、心や身体の健康を促す美容療法のことです。
手足や背中を優しく撫でられると、痛みや不安が和らぎ、ぬくもりが伝わるといわれます。これは肌と肌の触れ合いによるコミュニケーションから、心地よさや不安の緩和に繋がるホルモン:(オキシトシン*)の分泌が促されるからです。
「触れるケア」は、最近では、認知症緩和ケアや癌患者の術後ケア、脳卒中・糖尿病、未熟児医療、障害児医療、ストレスケアなど、多岐にわたって活用されています。
ビューティタッチセラピーには、このような「触れるケア」はもとより、メンタルケアの魔法といわれる「化粧(メーキャップ)」なども含まれます。「化粧」というのはワンステップで完結するものではなく、仕上がるまでにいくつかのステップが介在します。
化粧水・乳液・・・おしろい・・とステップを経るごとに顔色や表情が確実に変化していきます。
しかも数人のグループでビューティタッチセラピーをしていると、仕上がりに近づくにつれて、
隣の方の体に触れたり、「あなたキレイねぇ」・・・などのコミュニケーションが活発になります。
つまり、1人だけの変化でなく、そこにいる集団の変化に繋がります。
ビューティタッチセラピーでは、1対1の施術もありますが、グループでの施術やレッスンもお勧めしています。ビューティタッチセラピーは、男女を問わず、心の「わくわく感」をも惹きだす施術として、健康寿命延伸と明るい社会のために欠かせない、これからの時代の美容療法です。
*オキシトシン:もともと陣痛の誘発や母乳の分泌促進の効果があるホルモンの一種ですが、最近、人への信頼感や共感に影響することがわかってきました。その結果、オキシトシンは、恋人・友人など、様々な人間関係において、人との絆を深める効果があると考えられています。
※ADL向上のための整容講座受講
資生堂化粧療法とは
資生堂の化粧療法とは、スキンケアやメイクなど化粧行為を通じて心身機能やQOL(クオリティー・オブ・ライフ=生活の質)の維持向上など健康寿命の延伸をめざす療法です。自立支援のもと、残存機能を生かした手法を用い、「自分でする化粧」をサポートします。また、地域の元気な高齢者に対しては、社会性/心のフレイル予防など、介護予防としても活用ができます。
※認知症サポート研修:2018年千葉スタッフ受講
認知症の人と家族への応援者である認知症サポーターを全国で多数養成し、認知症になっても安心して暮らせるまちを目指しています。